そして千年の恋がはじまる…(蒼の軌跡)

管理人:菜蒼の日々。

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365日四六時中

そう、いつも見ていたいの。
いつだって、傍にいたいの。

声を聴けなくても
笑顔が見えなくても
触れる事さえ出来なくても。

365日四六時中。
いつもいつでも。

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痛み。

キリキリ痛む身体を引き摺りながら、
        ギリギリのラインを踏みとどまる。
            くらくら揺らぐ頭の中から
                ぐらぐら眩暈が沸き起こっても。


まだ、大丈夫。

   きっと、大丈夫。

痛み。…の続きを読む

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我が眠り、揺るがすことなかれ。

遥か数千の時を経て今、
私の眠りを妨げようとする者たちよ。

私は、過去の解明など望まない。
私が如何にして生き、死んでいったかなどに
一体何の意味があるというのか。

私には、過去の栄光など必要ない。
私が一国を総べる王であった時代は
既に遠く、砂に埋もれた。


最愛の者から贈られた花を手に、
私は長い夢を見る。

緑豊かであったオアシスを。
たわわに実るナツメヤシの林を。
万物の命を育んだナイルの流れを。

全てが、太陽と等しく黄金色に輝いていた日々。


嗚呼。
我が眠り、揺るがすことなかれ。
私は、復活の時を待ち
ただ長い夢を見ているだけなのだ。


我が眠り、揺るがすことなかれ。…の続きを読む

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春。

今後 私は、
桜を見ては、鈴鹿での開幕戦を思い出し、
菜の花を見ては、貴方が長く苦しい最後のレースを
一人で戦ったことを思い出し。
そして、それらの花びらが風に舞い散る様を見ては、
貴方が私たちの前から永遠に走り去ってしまったということを
改めて心に刻むのでしょう。
そして、毎年4月にひとつずつ、
確実に貴方と年齢が離れてゆくこの身を恨めしく思い、
もてあましながら生きてゆくのかもしれません。

春。
なにもかもが終わり、そして始まる時。

私も、何かに終わりを告げ、そして何かを始めねばならないのです。

ただ、今は、まだ終わりを告げることができない…

だから、始まることもできない……

アンモナイトの殻に閉じこもり、螺旋の時をぐるぐるぐるぐる…

堂々巡りを繰り返し、そしてまた、春がやってくるのか……


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夏に浮かぶ桜花

久しぶりに、動く貴方を見た気がします。

画面の中の貴方を追う眼からは、

堰を切ったかのように零れる涙。

まだ、消えない

まだ、癒えない

まだ、忘れない。

すべてが始まろうとして

何もかもが終わった、

あの、桜の時を。


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キミ ト アエル ヒ

キミ ニ アエル ヒ ヲ タノシミニ シテイタンダ
マダミヌ キミ ニ アレコレ チュウモン ツケタリシタケド
デモ ソレハ
アタラシイ イノチ ニ ボクラハ スコシ テレテイタンダ
キミ ハ キ ヲ ワルクシテ シマッタノダラウカ・・・
ゴメンヨ ソンナ ツモリヂャ ナカッタンダ
・・・ホントウニ
ホントウニ アイタカッタンダヨ


モシモ キミ ガ ボクヲ ユルシテ クレルナラ
モウイチド アエル トキガ クルダラウカ

サクラ マウ ハル デモ
セミ ガ ナク ナツ デモ
キギ ガ イロヅク アキ デモ
コガラシ フク フユ デモ
キミ ノ スキナ キセツ ニ アオウ

マッテイルヨ イツマデモ
ミンナ ミンナ
キミ ト アエル ヒ ヲ・・・


キミ ト アエル ヒ…の続きを読む

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ひととせ

嗚呼、二度目の春も過ぎ去りました。
さくら は相変わらず切なく儚く。
暖かい陽射しにも溢れるのは泪泪泪。
また今日から日はめぐってゆくのでしょう。
いつからか、一年の始まりはこの日に。
だけど。


夕べは風の上の御帰らせいかが候、
戦の御首尾は恙無くおわしまし候や、
御見のまも忘れねばこそ思い出さず候。かしこ。


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短歌 その他

蒼き風
君が声かと 仰ぎ見る
雲ひとつ無き
空の彼方を


物思ふ
心は千々に 乱れゆく
猫の寝息の
聞こえる夜中に


君が夢
追うさま さながら
蝶に似て
ひらり ひらり と
蒼天を舞ふ


向日葵の
向きたる先に ゆらゆらと
君の姿の
陽炎を見る


さくら花
君が泪の換わりとて
ほろり ほろり と
空に散りゆく


白く白く、白い花のひらは
さながら雲海の如く。
押し寄せる眩みに彼の岸を見る。


人が見し 夢果つるとも さくら花
胡蝶の舞ひを 永久に留めむ


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コトバは何故、存在するのか?

----コトバは何故、存在するのか?
自分の想いを相手に伝える為、と人は云うけど。
そんなのはウソだ。
コトバで全てを伝えられるくらいなら、
こんな風にはならない。
ガラスの欠片を心臓に突き立てられたような、
こんな痛みは覚えない。

触れたくて、触れたくて。
触れて……欲しくて。

その瞬間にも、コトバは。


…役に立たない。


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春愁

草木は芽吹き、花は綻ぶのに。
貴方の夢が膨らみ、笑顔が零れる事は
二度と亡い。

廻り巡る季節を数え
嗚呼。
あと幾度の春を超えたなら
貴方のもとへ逝けるのだろう。
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Please be my Valentine !

まだ厳しい寒さが続くこの街に、甘い香りが立ち込める2月。
物珍しくもない菓子が普段にも増して愛らしく包装され
其処彼処の店先で華やかさを競っている。
この季節の人肌恋しさも手伝ってか、
その甘やかな雰囲気に便乗する輩も数多い。

常ならばそんな雰囲気とは縁遠い筈の場所にも
浮き足立った人間が何故か一人…。


「常日頃から考えていた事だが、こういったイベント時には
その人間本来の魅力が問われると思わないか、中尉?」

朝から上機嫌な上司ではあったが、
午後になって更に拍車がかかった。
その理由は彼の執務机足元にある段ボール箱だ。

「…本当に魅力を感じた方にのみ、
差し上げている訳ではないと思われますが。」

果たして義理と本命とが存在する事を、
この呑気な男は知っているのだろうか。
軽い溜息を零しつつも、箱から溢れ床に落ちた幾つかを
リザは拾い上げる。

「全員が本気という事ではないでしょうが、
くれぐれも粗雑には扱わないで下さいね。」
「…随分な云い様だな…。 
私が一体何人の女性隊員から貰ったのか、気にはならないのか?」
「私が気にすべきは、大佐が幾つ頂いたかという事よりも
今日中に終えなければならない仕事の進捗状況かと。」

書類の雪崩に巻き込まれないよう段ボール箱に入れておきます、と
先程拾い上げた包みを、山と詰まれた小箱の天辺に丁寧に乗せ
ぐうの音も出ない上司に向かって畳み掛ける。

「さぁ、さっさと取り掛かって下さい。
因みに左手側に積んであるものは本日が期限ですから
決裁を至急お願い致します。
それでは私は事務局に行って参りますが、
何か飲み物でもお持ちしますか?」

書類の山々を前に既にぐったりとなった上司を一応は気遣ってみた。

「あぁ…そうだな。 熱いのを一杯貰おうか。」
「解りました。 では後程。」


事務局から戻る途中で給湯室に立ち寄り、
眠気覚ましに特濃珈琲でもと考えていたら
出てきた女性隊員と危うくぶつかりそうになった。

「あッ! す、すみません、ホークアイ中尉!!」
「あぁ、シェスカさん。 私は大丈夫、それより貴女の飲み物は平気?」
「はいッ大丈夫です! …ってあの、中尉?」

シェスカの手に握られたカップの中をまじまじと見つめるリザに
怪訝そうな目が向けられてくる。

「貴女のその飲み物……まだ在庫はあるかしら?
もし良ければ少し分けてもらえる?」
「まだ沢山あります! どうぞお好きなだけ使って下さい!
…でも中尉もこういったの飲まれるんですね、なんだか少し意外です。」

自分が飲む訳ではないのだと言い訳するのも逆に変な気がして、
偶にはなどという形で言葉尻を濁す。
シェスカに礼を云うとトレイにカップを乗せて執務室へと向かった。


「只今戻りました。
カップは此方に置きますので。」
「あぁ。」

机の端に湯気の立つそれを置いて早々に退室の意を告げる。

「大佐、誠に申し訳ありませんが本日は…」

早く。 早く。
カップの中味を気取られるより前に、
彼の前から立ち去らねば意味が無い。

「そうだな、偶には定刻に帰らせないと
人事局あたりから苦情を云われそうだ。
今日はもう帰って構わないぞ。」
「有難う御座います。」

踵を鳴らして敬礼、ドアへ急ぐ。
ドアノブに手をかけた瞬間。

「リザ」

ファーストネームを、呼ばれた。

ファミリーネームでも階級でもなく呼ばれたそれは
いくら執務室に二人きりだとて職場で口にするべきではない。
だから思わず振り返ってしまったのは彼の所為なのだと…
思う事にする。

「何か?」

動揺を押し隠して問えば、
書類の山並みからカップが高く掲げられて。
ゆらりと動かした為だろうか室内に香りが散る。
その甘く濃厚な匂いは明らかに珈琲とは異なるものであった。

「この案件についての決裁は、来月が締め切りだったかな?」

楽しみに待っていたまえ、と。
それはそれは嬉しそうに云う上司の顔は
きっと途方もなくニヤけきっているだろう。
そして自分はと云えば……。
互いの顔が見えない程に積まれている書類に感謝の念を禁じえない。
この時ばかりは彼の怠惰さを有り難く思ったリザだった…。


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怪談『雀ヶ宿』

人里離れた竹林に、その宿はあるという。
小柄な女主人に招じ入れられたら最後、
二度と宿から出る事は叶わない。
そんな噂が風に乗り都へ届く頃、
一人の若者が竹林で道を見失った。
放った鷹から逸れた兎を追ったのだが
いつの間にか随分奥まで入り込んでしまったようだ。
愛馬のみを供として歩を進めると、
緑一色の視界に、鮮やかな朱塗りの瓦が見えた。
異国風の建物には『雀ヶ宿』の扁額。
せめて少しばかりの水を、と
戸口から中へ声をかけてみる。

「…これはこれは。ようお出でなされた。」
出迎えたのは、身の丈が若者の半分ほどの女。
竹林の宿らしく竹柄の装束は、
しかし何処かしら異国めいた物であった。
艶やかな朱唇を愛想よく撓め、奥の居室へと誘う。
「ほぅ。兎を追うて、の。」
若者の話に耳を傾けつつ、女は廊下の向こうに
宴席の支度をするよう呼びかけた。
此方へ向き直り、云う。
「したが手負いの兎など、そう遠くへは逃げまいて。
あるいは其方の鷹が既に見つけておるやもしれぬ。
しばし此方で、ゆるりと過ごされるがよい。」

程なくして食事の支度がととのったらしく
若者は隣の居室へ移るよう女に告げられる。
其処にはなんとも立派な酒席が設けられていた。
ふと疑問に思った事が口をついて出た。
「…人を雇うておるか、と? 何故そのような?
…ほほ。確かにこれだけの支度、一人二人では出来ぬであろう。
そのくせ人が出入りしている気配がしなかった、とな?」
くつくつ、と女は喉で笑う。
「随分とこの宿も安く見られたものよなぁ。」
其処いらの茶店とは格が違うのだと、言外に匂わせる。
きちんと躾られた仲居がいるのであろうと、
若者が合点したところで盃を勧められた。
白銀のそれになみなみと注がれる。
あまり酒は強くないのだと慌てれば、
またぞろ朱唇がゆるりと撓む。
「陽のあるうちから酔うもまた一興。」
さあさあ、と半ば強いられるままに盃を呷ると
身体の隅々にまで、雷にでも打たれたかのような痺れが走った。
酒の名を聞けば「名など無い。」と云う。
しかしこれまでに味わった事の無い美酒である。
このような刻限から酒宴など…という逡巡は、
重ねる盃の合間に消えていった。

はたと気付けば、女がいない。
ほろ酔いを通り過ぎた若者は、風にあたろうと廊下に出る。
…人の声が聞こえた。 女の声だ。
さては姿の見えなかった仲居に何ぞ指図でもしているのかと
声のする方へ千鳥足で進む。
女は、裏木戸を出た辺りで誰かと話しているようだった。
そっと耳を欹てていると、聞こえてきたのは竹林を渡る風の音と…

…ほんに久しいのぅ…この宿に人間の来るは…
…もう少しじゃ…いま暫し待たれよ…
…ほ。お主は腕が欲しいか。馬手か、弓手か。どちらでも良いぞ…
…貴公は臓腑か…
…吾か?…吾はあの眸が欲しい…
…あの眸を浮かべて飲む酒は、さぞ美味かろう…

酔いが、一瞬にして立ち消えた。
心とは裏腹に笑い続ける膝を叱咤しつつ
若者は表の戸口へと急ぐ。
其処には、中へ通される時に繋いだ愛馬がいる筈だ。
長くもない廊下の途中で、足元がふらついて転んでしまう。
肘をしたたかに打ちつけて、大きな音をたててしまった。
しまった、と思った瞬間、後方で女の声がする。
「何処へ行きゃるのか、客人。」
逃しはせぬぞ、と、段々に声が近付いてくる。
思わず振り向けば、あの鮮やか過ぎる口唇が目に飛び込んで。
這うようにして進み戸口に出ると、
果たして愛馬は其処に繋がれたままであった。
鞍に跨り手綱を捌こうとした刹那、女が眼前にいる事に気付いた。
何時の間に自分を追い越したのか…。
よく見れば、女の足は宙に浮いている。
己が身の丈の高さ程で女はゆらりと宙に浮いているのだ。
まるで羽でも生えているかのように。
「吾らには、其方が必要なのじゃ。」
六十年に一度のこの時節に、この宿を訪うた其方が悪い、
そう口走ると、女は馬の轡に手をかけようとした。
はっと我に返った若者が、鞭をあてる。
愛馬が鋭く嘶いて、前脚で空を掻いた。
馬のその所作に何故か女は非道く慄いて
羽をもがれた小鳥のように地に伏す。
その隙に若者は愛馬を駆り立て
ただ只管に、振り返る事もせず、ひた走った。


竹林を抜け、人里に辿り着いた若者は
己が竹林へ迷い込んでから既に10日ほど経った事を知った。

その村の翁が云うには、竹は六十年に一度、花を咲かせるという。
おそらく今年がその六十年目であり、
花開く為に常より多い滋養を必要としていたのであろう、と。
ただその滋養という物が鶏糞などではなく……

人間であっただけの事…。


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永久に眠れ

時が過ぎるのは早いねと、皆が云う。
 あれから2年も経ったか、と。
 だけど2年も5年も10年も、私には同じで。

私はまだここに。
 此処に居る。
 あの日、あの時と同じ場所。
 進みたくても。

二月の風のような
 ココロまで切りつける、痛みは。
 眸を塞ぎ耳を閉じても容赦なく。
 いついつまでも。
 それでも。

捻じ伏せる。
 挫けそうになるココロを、
 弱いコトバを。
 零れ落ちる涙を。

胸の中にか空の上にか
 其処に居る事は知っている。
 だから。
 
歴然たる事実と
 向かい合う術を、乗り越える力強さを、今。
 この私に満たせ。



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雨と煙草と野良猫と

窓を打つ雨音に紛れて幽かに聞こえた、声。
咥え煙草のままでテラスへ出れば、
紅い眸の猫が、尖った耳の先から雫を滴らせながら佇んでいた。
此方が出てくるのを待ち構えていたのだろうか。
踵を返して室内へ戻り、窓枠に凭れて
「…入れば?」
そのつもりなんだろう、と促せば漸く歩を進めてくる。

にゃぁ。

濡れた躯で部屋へ上がるのを躊躇うなんて。
人間じゃあるまいし。
そのうえ全身を震わせて雫を払うでもなく、大人しく座り込む。
借りてきた猫とは聞くけれど、遠慮深い野良なんて気味が悪いだけだ。
首の後ろを掴んで持ち上げれば、細い四肢がダラリと伸びる。
「まだ火をつけたばかりなんだけどさ」
灰を落とされるのは、オマエも嫌だろう?
バスルームに猫を放り込んでから煙草をもみ消した。


紫煙の向こうに、紅い眸が揺れる。
シャンプーかボディソープか。
どちらを使うか悩んで、結局ボディソープで洗ってみた。
どうせ猫用で無い事には変わりない。
水を嫌って暴れるかと思えば、こちらのする事には一切抵抗しなかった。
ドライヤーさえ唸り声ひとつ無い。
「…変なヤツ。」
ぷかり 浮かぶ煙を眺めた紅眼は、くるりと回って。

足音もたてずに近寄ってきて、此方の匂いを頻りに嗅いでいる。
「何?」
グルグル喉を鳴らして、頭を摺り寄せる。
どうやら、『同じ匂い』である事に安心したみたいだ。
…当たり前だろ、同じので洗ってやったんだから。


珈琲を淹れるついでに、ミルクの残りを与えてみた。
…また遠慮しているのか?
「飲ませたくなければ、やらないよ。」
それとも何?
コペンハーゲンよりドルトンの皿が良かったって?
それはご愁傷様。

にゃぁぁぅ。

ソレ、否定とも肯定とも取れるんだけどね?
「どっちでもいいから、飲めよ。」


窓の外は雨。
相変わらず途切れる素振りも無い。
昨日も今日も、明日も雨。
変わり映えの無い日々に、紅い紙魚ひとつ。(ふたつ?)
一皿のミルクでご満悦らしい。
ひと通りの毛づくろいを済ませると、膝の上に飛び乗ってきた。
指先の煙草が揺れ動くのが気になるのか。
躯を伏せてじっと見つめているから、次の瞬間には飛び掛ってくるだろう。
そう予測して尚、小刻みに指を動かして煙を散らしてみた。
刹那。

ぺろり。
にゃあぉう。

指先を舐められ、一瞬反応が遅れた。

ぺろり。

此方を見上げながら。

ぺろり。


紅く赤い眸が、此方を捉える。
薄桃色の舌はザラついていて…。
白い小さな牙が、見え隠れする。


捉えたのは、自分。
捉えられたのは……。


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迷宮に泳ぐ

街の名はフェズ。
千年続く迷宮都市。
地図など、この街では枯れ葉ほどの意味も持たない。

石畳に響く声だけを頼りに、君の姿を追いかけた。

君のココロも、この街と同じほどに入り組んで。
僕は何度も君を見失いかける。
だけどその度、君は路地の影から此方を見やる。

まるで、僕がきちんと追いついているか
君を追う事を諦めてはいまいか
確かめるように。

フェズ。
街と同じ名を持つ君。
その迷宮に、僕は泳ぐとしよう。

迷宮の中心には此の世の至宝。
宝の在り処を指し示す地図は、
きっと僕の胸の中に。


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てのひら の 蝶

蝶を、つかまえた。
僕は、蝶になった。


意識が浮上したら、辺りは墨で塗りつぶしたやうな暗闇だった。
今の今まで眠っていたものか、
それともたった今、眸を開いたのか。
それさえも判然とせぬ。

 ひらり。

身を横たえたままの己の視界の片隅を、よぎる。

                       ひらり。

あげは蝶だらうか。
蝶の名なぞよく知らぬが、
一等美しいのは、あげは蝶だと聞いた。
あの蝶は、僕が今まで見たどの蝶より美しく思える。
故に、あれは、あげは蝶なのだ。

一頭だけではないやうだ。
身体を起こしてぐるりを見廻せば、
ひらり、ひらり。
彼方此方に舞っている。

彼方の蝶も、此方の蝶も。
どことなく人恋しげに舞ひ狂って。

きんぎんすなご。

鮮やかな燐粉は、羽ばたきの度に闇の中へ。
涙のやうに吸い込まれてゆく。

  嗚呼。これは。

これは。 この蝶どもは。


溢れる泪が、闇の深淵へといざなう。

僕にも、覚悟が出来たやうだ。
悟りを、覚えたのだ。

最前から僕の廻りを踊る一頭の蝶を。
両のてのひらに篭めた。
合わせ目へ、恋しい人の名を囁く。

会ひたい 会ひたい 会ひたい

ただその一念を、蝶に囁きかける。

蝶が、てのひらをすり抜けて。
闇を纏いながらも飛び立ってゆく。
泪ばかりを零し煌かせ。

あの蝶は、僕になった。
僕は、あの蝶になった。


さァ、ゆこう。
僕は覚悟が出来た。
その証に、手の甲には一頭の。




蝶を、つかまえた。

僕は。

僕は。


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本日より。

本日より此方のブログで、
駄文を書き散らしたりする予定。

とりあえず今までに書いたヤツを
そのうち此方へ移動させる予定。


えェ、全てが『予定』ですんで。

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