そして千年の恋がはじまる…(蒼の軌跡)

管理人:菜蒼の日々。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

ロイエド小話 その②

数秒の間があき。 
深い溜息とともに冷ややかな視線がエドに向けられる。
「…鋼の。 一体どこまで常識を欠落させれば気が済むんだキミは。」
「なッ、なんだよそれ! オレにだって知らない事のひとつやふたつ」
「ふたつやみっつ、よっついつつ、或いはそれ以上だろう?」
あまりの云われ様にパクパクと口を動かすしか出来ない。
「ふむ。 本当に知らないらしいな。 ならば教えてやろう。
 むか~しむかし、ある所にバレンチノという男が居たのだ。」

何故こんなにも詳しいのか不思議なところではあるが、
ひと通りの歴史をロイは説明していった。
「と云う訳で。 チョコを送るのは独特の習慣だが
 昨今では本命相手以外にも例えば世話になった人物などに
 贈り物をするのだ。 花やカード等など。」
「へぇ~。 ふぅ~ん…。」
寝そべったままのエドからは熱弁を振るうロイの左横顔が見える。
(…確かに、世話になっちゃぁいるんだよな…。
 いざって時は無能じゃねェしな。)
それなりに感謝もしてはいるのだが、如何せん今日は手ぶらだ。
(大体チョコを送るのは女から男に、だろ?
 オレがチョコレートなんて買えっかよ! …ん?)

「鋼の! 聞いているのか!?」
独り考え事をしていたのがバレたようで、
ぼんやり漂わせていた視線を引き戻すと
至近距離にロイの顔があった。
「ェ? あ、あぁ悪ィ。 何だっけ?」
「だ・か・ら! この私への贈り物は無いのかと聞いている!
 常日頃あれだけ愛していると云っているのに
 鋼の、キミからは只の一言も云われた例が無い!
 『見返りを求めないのが愛だ』などと云うヤツがいるが
 見返りを求めて何が悪い!? 嗚呼そうとも! 求めているのだ!
 それとも何か!? 私の愛が足りていないとでも?
 先日は朝まで、その前は夜が明けて昼過ぎまで愛し合ったというのに
 そうか足りていないのか! 一体何が!?
 ならば今度からはッ」
「っだあぁぁあああもうッ!! 
 ッせぇんだよ、コレでも喰らいやがれ!!」
ソファから手を伸ばすと、鮮やかに青い襟を手荒に引き寄せる。
均衡を崩して此方へ倒れこんでくる身体を受けとめながら、
エドワードは口唇を重ねていった。

to be continued....


ロイエド小話 その②…の続きを読む
スポンサーサイト

テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

駄文。 | コメント:0 | トラックバック:0 |

ロイエド小話 その①

「なんか…今日はやけに殺気立ってねェかココ?」
「そうかなぁ~? いつも通りだと思うけど。
 兄さんの考えすぎだよ。」
「いつもはノホホ~ンとしてて、ココが軍部だって事
 忘れちまいそうになるけどな。
 上に立つ人間のアホさ加減が空気感染するんだぜきっと。」

兄さんてば! と窘める弟の声を右から左へと聞き流し、
赤いコートの裾を蹴り立てるように長い廊下を進む。
殺気というより寧ろ、皆が皆ウロウロそわそわしている様は
『浮き足立っている』と表現した方が的確かもしれない。
だが、幼くして国家錬金術師となったエドワードには、
世間一般には有名な世界規模的イベントが開催されるこの日も
只の「2月14日」でしかなかった。

目的のドアに辿り着くやいなや、ノックも無しに開ける。
「おい無能大佐! 来てやったぜ有難く思え!!」
「…鋼の。 キミはいつになったら『ドアはノックして開ける』という
 一般常識を身につけてくれるんだ?」
「どうせ山積みの書類で、客の顔なんざ直ぐには見えねんだから
 ノックなんか無駄だっつーの。」
勝手知ったる何とやら、エドワードは応接用のソファに
ごろりと寝転んだ。
「もう兄さん! 大佐、すみません!」
兄の言動を詫びるアルフォンスは、鎧の身体を
これ以上ないほどに縮こまらせてしまう。
この部屋の主である無能大佐ことロイ・マスタングは、
今日も今日とて未決裁書類の雲海に泳いでいる。
その波間から手をひらひら振り、「気にすることは無い。」と告げた。

「そう云えば、ホークアイ中尉は?」
ロイの右腕にしておくには勿体無いと評判の、
容姿端麗な女性の姿が見えない事にアルフォンスが気付く。
「ああ、彼女なら事務局に行くと云っていたが。」
「この間、捨て猫の里親を中尉に探して頂いたんです。
 そのお礼を云いたくて…ボク、ちょっと行ってきます!」
アルフォンスは部屋を出ると、がしょがしょと足音も軽く
先程の廊下を引き返していった。


「やれやれ。 一息つくとするか。」
「…って、何でコッチに座るんだよ! 狭いだろが!!」
エドワードの身体をソファの背凭れに押し付けるようにして
ロイが無理矢理腰を落ち着けた。
「まぁいいじゃないか、鋼の。 
 私の重みを受けとめるのも久しぶりだろう?」
一瞬で沸騰した血液が逆流する音が聞こえる。
「ッだあぁあ~~!! あんなモン二度と受けとめたかねェ!」
「つれないな鋼の。 世の中はバレンタインで浮かれているというのに。」
私への本命チョコは持参していないのかと問われ、
クソ重い男の身体を押しやる事を思わず忘れて問い返していた。
「ばれんたいん? チョコ?? なんだソレ。」


to be continued.....


ロイエド小話 その①…の続きを読む

テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

駄文。 | コメント:0 | トラックバック:0 |

輝血

紅玉の指輪を呉れると云ったのに、
貴方から届いたのは一鉢の鬼灯。
枯らしてしまうのも癪だから、
毎日せっせと世話をした。

ある日。 ふと。

ぱちん。

はぜる音が聞こえたような気がして。

鬼灯の鉢を見やれば 隠れるようにして
まぁるい大きな紅の宝玉。

約束を違える人ではなかった、と
綺羅綺羅輝く実を摘んでみたけれど。
指輪にするには大きすぎる。
首飾りにするには小さすぎる。

それならばいっそ、
この実を食べて私自身が紅玉になろうか。

口中に含んで優しく食めば、
甘苦い貴方の記憶が広がる。

私はきっと、小さな小さな玉になるだろう。
貴方の手指を飾るには小さすぎる程の。
その時には どうか。


どうか、私を……。


輝血…の続きを読む

テーマ:詩・唄・詞 - ジャンル:小説・文学

駄文。 | コメント:0 | トラックバック:0 |

哀しみの旋律

悲しみの旋律があるとするならば それは、
貴方を想う時 心の中に吹く風。
絶えず吹き荒び、強く激しく我を打つ。


哀しみの旋律…の続きを読む

テーマ:詩・唄・詞 - ジャンル:小説・文学

駄文。 | コメント:0 | トラックバック:0 |
| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。