そして千年の恋がはじまる…(蒼の軌跡)

管理人:菜蒼の日々。

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螺旋の欠片

「僕の命が尽きたなら、」
延べた布団の中から聞こえた声は、
風鈴の音より か細くて。
私は、五月蝿い蝉の鳴き声を理由に
聞こえない振りをした。

私の『聞こえない振り』に
気付かない振りをして、君は続ける。
「僕の命が尽きたなら、貴方が全て喰らい尽くして欲しい」
血も、肉も、すべて、と。

私は、相変わらず、『聞こえない振り』をする。
狡賢い大人は時々、耳に意識に、自在に蓋をする。


今の世の中、血肉を喰らう真似など出来ようか。
しかし君の望みなら。
他ならぬ、君の最期の願いなら。


生涯殆どを障子と襖に囲まれて送った君は、
白磁の肌を持っていた。
嗚呼、今、からり・からり
宙をゆく、君の欠片たち。
同じか、或いは以上の白さで、私を責め苛む。


そっと、掌中に忍ばせたのは、
私の髪を梳いた、あの薬指の欠片。


蒼い空を見やれば、彼方に。
随分遠くへ行ってしまったものだ、と
真白き薬指の、欠片を詰る。

君の、望みなら。

あの夜、そうしたように。
君の薬指を含もう。
少し強く食めば、身を捩って微笑うだろう。

あの夜、そうしたように。
両の腕に抱きしめる強さで、噛めば
さりり・さりり
欠片は、落ちてゆく。
私の中を、螺旋を描いて、落ちてゆく。


君の螺旋を追って、逝けば。
それでもなお、交わりゆく事は無く。



二重の螺旋は、永久にゆるやかに流れゆきゆきて。






えぇ~と…作成年月は不詳(?)です。
ちょこっと解説。

『嗚呼、今、からり・からり
 宙をゆく、君の欠片たち』
⇒お骨拾いの場面です。 お箸からお箸へ…宙を彷徨いますよね。

『蒼い空を見やれば、彼方に。』
⇒雲ひとつ無い空に立ち昇る、煙。 そのうち空へ混じってゆきます。

『君の螺旋』
⇒人間は二重螺旋構造。 DNAの塩基配列を表してみた…んですが。

『それでもなお、交わりゆく事は無く。』
⇒二重螺旋は、交わる事無く続いてゆきますよね。

『二重の螺旋は、永久にゆるやかに流れゆきゆきて。』
⇒二重の螺旋という言葉には、個々のDNAという意味合いと、
 二人の重なる輪廻という意味合いを持たせてあります。
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テーマ:詩・唄・詞 - ジャンル:小説・文学

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