そして千年の恋がはじまる…(蒼の軌跡)

管理人:菜蒼の日々。

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What are little boys made of? ~sweet honey~ (鋼練)


What are little boys made of?
What are little boys made of?
Frogs and snails
And puppy-dogs’ tails,
That’s what little boys are made of.

What are little girls made of?
What are little girls made of?
Sugar and spice
And everything nice,
That’s what little girls are made of.

ヒトを構成する元素なんて、とうの昔に調べ上げられてる。
人体練成するには、あと少しの何かが足りないから…。
その『何か』を掴む為に日々こうして研究しているというのに…。

…頭上から、ノンキな鼻歌が聞えてくる。
堪りかねたエドワードは、その歌の主をギッとねめつけた。
「オイ、大佐。ここ何処だと思ってんだよ?」
「ふむ?わが軍最大にして最高の蔵書を誇る中央司令部図書館だが?」
しれっと答えるのは、書棚に架けた階段の途中に腰掛けた
ロイ・マスタング大佐だ。
ここが図書館でなかったら。
他の利用者がいなかったら。
エドワードの逆撫でされた神経はプッツリ音立てて切れていただろう。
「解ってんなら、静かにしろってんだよ」
静かな怒りのオーラで揺れる蜂蜜色の髪を眼下に見やると、
大佐はくつくつと喉の奥で笑った。
「そう怒る事もなかろう、鋼の。君の命題の答えとも云える歌だ。」
命題の答え、即ちそれは人体練成の術式に関する事だ。
しかしエドワードが今しがた耳にしたのは、
自身も聞き覚えのある童謡だった。

「…フカシこいてんじゃねぇよ無能大佐め。
カエルや犬ッコロの尻尾なんかで人間が練成できて堪るかよッ」
「おや、君もこの歌を知っていたのか。
ならば眉間に皺寄せて古書とにらめっこするまでもないだろう?」
答えはここに。
この歌に真実があると大佐は云う。
確かに母から子へと伝えられるその歌は古いものではあるが、
ただの童謡である。
錬金術師が『真実である』と信じるに値するとは到底思えない。
「ウソくせぇ…」
「2番の歌詞を思い出すといい。」

ギシ、と階段が軋んだ。

「Sugar, and spice and…」
段々と近くなる声に、エドワードは射竦められたように動けなくなる。
何故だか顔を上げることが出来ず、床に降り立った軍靴が
自分の足元に近付くのをじっと見詰めていた。
「…And everything nice, that’s what little boys are made of.」
ひそめられた声は、他の来館者へ配慮しての物なのかそれとも。

「さしずめ君は、甘い蜂蜜で出来ているといったところだろうな。
どこもかしこも甘く、蕩けてしまいそうだ。」
身を屈めた大佐が、耳朶に触れんばかりに囁いた。

俯いたまま、己の体温が一気に上昇してゆくのを感じたエドワードだが、
反論しようにもユデダコのような顔では勝算は無いだろう。
完全に大佐に遊ばれている。
(ちっくしょおぉ~~!!)
余りの悔しさに座り込んだ途端、目の前に分厚く古めかしい本が
5~6冊ドカリと落ちてきた。
よくよく見れば真新しい禁帯出のラベルが貼られている。
どうやら新着図書として入ったものの、
すぐさま閉架書庫行きとなった本のようだ。
勿論エドワードは未読である。
これらの本を借り出すには当然の如く閲覧許可の申請が必要となる。

(これって…?)

思わず手を出しかけたところで、またしても能天気な声が
頭上から聞こえた。
「さぁ、鋼の。そろそろ閉館時間だ。
その本を借りるならばまずは司書に閲覧許可申請の書類を提出し、
その後…」
「わぁかってるってぇーの!!司書サンのハンコもらってから
許可者の所に提出、だろ!?」
重い本を抱え、今にも司書室へ駆け出そうかというエドワードに、
大佐がにっこりと微笑む。
「その通り。ついでに云うならばその許可者とはこの私だ。
忘れずに私の執務室へ寄りたまえよ、鋼の。」

踏み出しかけたブーツの爪先が、ぎゅわ。と嫌な音を立てて止まった。

そろりと振り返り見た大佐の頭に、軍服の裾辺りに、
黒い触角や尻尾のような物が見えたのは気のせいだろうか…?

(ア…アクマめ!)


悪魔の好物が蜂蜜であるなどと、一体誰が予想し得ただろうか……。
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

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